さかな料理

もともと、魚料理にはあまり馴染みのないひとだった。魚といえば開きかみりん干しで、煮付けなんかは一回か二回作った程度だ。たまに鮮魚ボックスなる物を生協で注文して捌くことはあったが、刺身と塩焼き以外のレパートリーに挑戦することはなかった。

ところがイタリアに来て作る機会が何回かあり、案外簡単だったんだと気がついた。名前からして洒落たレストランでしか出てこなさそうなアクアパッツァは、塩をふった魚とニンニク、イタリアンパセリ、プチトマト3、4個を白ワインで15分ほど煮たら完成だ。煮付けだって煮汁を煮立たせて、切り身を入れるだけで完成する。アラも塩を振ってしばらく置いた後に一回茹でこぼしたら臭みは取れて、アラ汁にもアラ煮にも手軽に使える。

馴染みがないばかりに苦手意識を持っていたが、少し魚と仲良くなれた気がして嬉しかった。

ただ、かにや伊勢エビなど大きい甲殻類は未だに手を出していない。